デジカメがなかった頃に・・・別館

赤外線で風景が撮れた頃・・・

 1983年頃に,赤外線フィルム(サクラ赤外750)で撮影した風景写真です。赤外線で見た風景をお楽しみください。

トップページ>赤外線写真について                 最終更新日:2008年11月07日

赤外線写真について

(赤外線フィルムの種類)

 このホームページに掲載している写真は,赤外線フィルム「サクラ赤外750」で撮影しています。 このフィルムは,小西六(現在のコニカミノルタ)から,年1回,春の撮影シーズンに販売されていました。現在は,コニカミノルタの他のフィルム製品と同じく生産終了となっています。

  <1983年頃に入手できた赤外線フィルム>

 サクラ赤外750は,デイライト用の赤外線フィルムなので,赤外線の感度は高い方ではなく,夜間の暗視撮影はできませんでした。そのため,完全な暗黒でなくてもフィルム装填が可能でした。一方,コダック製のハイスピードインフラレッドフィルムは,赤外線の感度が高く,箱開封から現像までを,完全暗黒下で行うことと指定されていました。


(赤外線撮影について)

 赤外線撮影には,市販の一眼レフカメラが使えました。可視光線をカットするため,赤フィルターを装着します。赤外線は,可視光線よりも波長が長いので,普通にピントを合わせたのでは,ピンぼけの写真になります。オートフォーカスが普及する前の一眼レフカメラのレンズには,Rマーク(赤外指標)という点が刻まれていました。いったん合わせたピントをこの点に合わせて補正しなければなりません。
 失敗例(露出不足+ピンボケ)また,露出計も役に立たないので,使用説明書により露出を合わせます。集英社の「1000万人の写真術 8巻 特殊撮影術(昭和59年)」によると,「晴天下で60分の1秒,絞りF5.6を基本とし,できるだけ絞り込んだ方がよい。」と書かれていました。私は,雑誌に掲載されていた露出早見表を使っていたのですが,時には失敗もありました。右の写真は,露出もピントも失敗した写真です。

作例(疑似夜間効果) 実際に撮影してみると,赤外線の多いところ(雲や陽光を浴びた緑葉など)は白く,赤外線の少ないところ(青空や赤外線を吸収する水面など)は黒く写ります。一見して,夜間撮影したかのような写真になります。これを疑似夜間効果といいます。
 赤外線撮影で遠景を撮影すると,霞みの影響をあまり受けないので,はっきりと映し出すことができます。幻想的な写真を撮ることができました。赤外線での風景撮影に適しているのは,春から初夏にかけての,晴天の日かなと思います。


(現在の状況)

 今では,赤外線フィルムも製造終了が相次ぎ,入手困難になりました。カメラの方も,オートフォーカス全自動一眼レフカメラが主流になった頃から,Rマークが付いていないようです。フイルム市場が急速に縮小している現在では,仕方がないのかもしれませんが・・・・
 当時も,私の身近では使った人はいなかったのですが,持ち前?の中途半端な好奇心から,赤フィルターも標準・広角・望遠の3枚揃えて,撮影に挑戦しました。
今は,当時のカメラもなくなり,赤フィルターだけが残っています。今持っている一眼レフ(フィルム用)には,Rマークもなく,フィルムも入手困難なので,もう赤外線撮影で使うこともないのでしょうね。
 ネットを探してみると,赤外線写真のページがいくつかありました。中には,デジカメで赤外線撮影を行う方法を開設しているページもあります。
 一時、服が透けて見えるビデオカメラが話題になったこともありますが,それは邪道かと思います。


※このページは,ホームページ「デジカメがなかった頃に・・・」に掲載した文章に加筆して掲載しています。

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開設日:2008年11月3日  管理人:主権兵衛

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